「大一大万大吉(だいいちだいまんだいきち)」石田三成
一人はみんなのことを思いやり、みんなは一人のことを思いやるようにすれば、みんなが幸せになれる、という意味です。
英語で似たようなものがありますが少し違います。One for all, All for oneの事ですが、これは1つの目標のためにみんなで一丸となるという意味です。1つの部分が目標か人かで違いますね。
では、みんなは一人の事を思いやるという部分の一人とは誰なのでしょうか。現代で考えてみるとこうなるかもしれません。
まず一人ひとりが家族や会社または社会に対してどうすればみんながよりよく生きていけるかを考えるようにします。そうすることで家族関係や会社の業績、社会そのものが良くなります。もしその社会の中で、怪我をしている人であったり不自由を強いられている人がいたとします。周りの人が全員でどうその人をサポートしていけるかを考えて行動できるようにすれば、みんなより良くなっていける、という解釈です。
この余裕のない現代社会、もちろん私も含めてみんな自分のことをなんとかするのに精一杯であり、他人のことに気を配ることをおろそかにしてしまっていることが多くなってきています。他人の失敗やそうでないことにまでクレームを入れ人の揚げ足を取り鬱憤を晴らしている人が増えているのではないでしょうか。
「自分が!自分が!」となってしまい、ギスギスしている状態ですね。
そんな時代だからこそ一度大一大万大吉を心に置いておくことが大切だと思います。三成のように天下万民のためという大きなことではなく、家族・会社・近所はたまた通勤電車で乗り合わせた人々で困っていたら手を差し伸べる、その積み重ねが、社会をより優しくしていくのかなと思います。
秀吉が天下統一を成し遂げて日本国内から戦いを無くした世の中を精一杯受け継ごうとした三成、最終的には家康に敗れてしまいますが、その愚直ともいうべき正義感と使命感を持った姿勢は近年評価されてきておりますし、そもそも江戸時代初期の水戸黄門でおなじみである徳川光圀が三成の事を忠義の人間であると評価しています。
自分が天下人になりたいわけではなく、日本の社会のために奮闘した志の高い忠義の心を持った武士、その時代のまま現代に持ち込むと時代遅れな感じはありますが、天下や主君とかいうことではなく、家族や周囲の人との関係としてこの精神は現代の自分もみんなも大変な時代にこそ大切にしたいものですね。
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