江戸時代の名言に学ぶ】「民の父母たるべし」に学ぶ現代リーダーの責任とは|上杉治憲の教えを仕事と組織運営に活かす方法

【江戸時代の名言に学ぶ】「民の父母たるべし」に学ぶ現代リーダーの責任とは|上杉治憲の教えを仕事と組織運営に活かす方法

現代は、会社や組織、地域コミュニティ、さらにはオンライン上のチームに至るまで、あらゆる場所で「リーダー」が求められる時代です。しかし、肩書きはあっても「本当の意味で信頼されるリーダー」になれている人は、決して多くありません。
そんな今だからこそ、江戸時代の偉人が残した言葉に立ち返る価値があります。

今回取り上げる格言は、米沢藩第9代藩主・上杉治憲(うえすぎ はるのり)、号を上杉鷹山(ようざん)が残したとされる言葉です。

「民の父母たるべし」とは何か

「民の父母たるべし」
―― 上杉治憲 言行録

この言葉は、「為政者(リーダー)は、民を支配する存在ではなく、父や母のように守り育てる存在であるべきだ」という意味を持っています。
出典は『上杉治憲言行録』であり、藩政改革に尽力した鷹山の思想を象徴する一節です。

江戸時代、米沢藩は深刻な財政難に陥っていました。その中で上杉鷹山は、贅沢を廃し、自ら率先して倹約を行い、民の生活を第一に考えた政治を行いました。単なる命令ではなく、「民の暮らしを守ることこそが藩主の責任である」という覚悟が、この言葉に凝縮されています。

現代における「民の父母たるべし」の意味

現代社会において、この言葉をそのまま「民と為政者」に当てはめる必要はありません。会社であれば上司と部下、学校であれば教師と生徒、地域であればリーダーと住民という関係に置き換えることができます。

つまり、「自分の立場が上だから指示を出す」のではなく、自分が守るべき人たちの生活や成長に責任を持つことが、現代版の「民の父母たるべし」なのです。

筆者自身の体験談:責任から逃げた過去

私自身、数年前に小規模なチームのリーダーを任されたことがあります。当時の私は、「成果さえ出せばいい」「指示を出すのがリーダーの仕事」と考えていました。

メンバーが困っていても、「それは自己解決すべきだ」と突き放し、数字や結果だけを求め続けました。その結果、チームの雰囲気は悪化し、離脱者も出てしまいました。

そんなときに出会ったのが、上杉鷹山の「民の父母たるべし」という言葉でした。「自分は父や母のように、この人たちを守ろうとしているだろうか」と自問した瞬間、これまでの姿勢が大きな間違いだったことに気づきました。

格言を現代で実践するための具体的な手順

① 立場ではなく責任を自覚する

まず必要なのは、「自分は偉い存在だ」という意識を捨てることです。リーダーとは、権限を持つ人ではなく、最も責任を負う人です。

② メンバーの状況を知る

父母が子どもの体調や心の変化に気づくように、リーダーもメンバー一人ひとりの状況を把握する必要があります。業務量、悩み、得意不得意を知ることで、適切な支援が可能になります。

③ 自ら模範を示す

上杉鷹山が自ら倹約を実践したように、リーダーは行動で示す存在です。口先だけの指示では信頼は生まれません。

④ 守るべき基準を明確にする

成果だけでなく、「健康を害さない」「人格を否定しない」「学びの機会を奪わない」など、守るべき基準を明確にすることが重要です。

⑤ 長期的な成長を優先する

短期的な結果よりも、長期的に人が育つ環境を作ることが、父母的リーダーの役割です。

実践したことでどう良くなったのか

私はこの考え方に切り替えてから、毎週メンバーと1on1の時間を設けるようにしました。仕事の進捗だけでなく、「最近困っていること」「無理をしていないか」を聞くようにしました。

すると、メンバーから自発的な提案が増え、ミスの共有も早くなりました。結果としてチーム全体の成果も安定し、以前よりも高い評価を得られるようになりました。

これは、「管理」ではなく「保護と育成」に意識を向けた結果だと感じています。

応用編:さらに良いリーダーになるために

心理的安全性を意識する

父母の前では子どもが安心して本音を話せるように、リーダーの前でも失敗や不安を話せる環境を作ることが重要です。

評価基準を「人」に置く

数字だけでなく、「どれだけ周囲を支えたか」「成長したか」を評価に含めることで、組織全体の質が向上します。

自分自身を律する

父母がまず自分の生活を整えるように、リーダー自身の健康や学びも大切です。自分が崩れていては、誰も守れません。

まとめ:現代にこそ必要な「父母の覚悟」

「民の父母たるべし」という上杉治憲の言葉は、単なる歴史的名言ではありません。現代のリーダーに対して、「あなたは守る覚悟を持っているか」と問いかける、非常に厳しく、そして温かい教えです。

リーダーとは、命令する人ではなく、責任を引き受ける人です。父や母のように、時に厳しく、しかし最後まで見捨てない存在であること。その姿勢こそが、人を動かし、組織を強くします。

江戸時代の一藩主が残したこの言葉を、ぜひ現代の仕事や人間関係に活かしてみてください。きっと、周囲との関係も、成果も、これまでとは違った形で良くなっていくはずです。

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