「是非に及ばず」織田信長
是は良い、非は悪いを指します。つまり良くも悪くもないという意味です。
本能寺の変で信長が明智光秀の軍勢に攻め込まれたときの言葉です。
光秀に攻め込まれたことにどうこう考えても仕方のないことだ。良いも悪いもない。攻め込まれたからには、全力で戦い抜くしかない。おそらくこういう思いを言葉にしたのがこの「是非に及ばず」でした。
こうして信長は少ない手勢で、大勢の明智光秀の軍と戦い抜き、手勢も減り自身も深手を負ったところで最期を悟り自害します。
ここでは、状況に失望したり諦めるということをせず、やれる限りのことをすることをしたのです。
信長は一貫して、窮地に立たされても絶望なんてすることなく対処しました。今川義元が上洛するときに攻め込んできたときも桶狭間で勝利し、足利義昭による信長包囲網を敷かれたときも戦い抜いて勝利してきました。そうして天下人にまで登り詰めたのです。
さすがに本能寺の変では多勢に無勢であったものの、それでも絶望せず応戦したのです。この精神は現代にも当てはめられるのではないでしょうか。
例えば仕事です。さらにいえば仕事と家庭の両立ですかね。顧客からの要望に応えながらも、会社の社内業務もバンバン振られいっぱいいっぱいなところに家事育児をするというてんやわんや状態で考えてみますか。まぁ実際の私の状況ではあるのですが。。
辛いとか忙しいとか分担減らしてくれとか、思いたくもなります。なんでこんな大変なんだよとか、いろいろ感じてしまいます。
しかしそれを思い始めるとドンドンその感情や思考が膨らんでいってしまいます。一回考え始めると溢れ出てくるのです。
辛いとか忙しいと思いながらやっていくといつかそのマイナス感情に押しつぶされてしまいます。それで鬱になってしまったりすることもあります。かつて仕事で大変すぎたときに私はそうなってしまいました。
そのため、大変な状況そのものに反応せず、何も思わないようにするという事も一つの手です。そこで「是非に及ばず」です。この状況に対して何か思っていても何も変わらない。この状況に全力で対応する、そのためだけに思考と行動を起こす、という考え方です。
とはいえもちろんどう考えても自分のキャパを超えていてどうにもならない時は上司や家族との相談は必須です。
さっきの仕事と家庭の両立でいうと、こんな感じです。ヒィヒィ言いながらどうにか定時内で1日の仕事を終え、電車に乗ります。そのときに「帰ったら子どもの風呂とその後に保湿してパジャマ着せて、最後にハミガキして寝かしつけか。。風呂も保湿も着替えもハミガキもイヤイヤして暴れるからな、嫌だなぁ」なんて思っていたら家につくまでとても憂鬱な気持ちになり時間が経つに連れ増幅してしまいます。
そうではなく、是非に及ばずです。やるだけやるしかない。やってやるよとだけ気合いを入れておき、電車では仮眠をとってこのあとのドタバタに備える、という事です。精神衛生上まだこのほうが押し潰されにくくなるはずです。
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