渋柿は渋柿として使え。 継木をして甘くすることなど小細工である。(武田信玄)

「渋柿は渋柿として使え。 継木をして甘くすることなど小細工である。」武田信玄

渋柿の木に甘柿の枝を接ぎ木して甘柿をばかりを採ろうとするのは小細工でしかない。 渋柿には渋柿の良さがあるのだから渋柿として使うようにせよ。甘柿も渋柿も、その長所を生かして役立てることが大事だという意味です。

つまりは適材適所ということです。この人はこれができないから使いようがない。渋柿は渋いから生では食べられたもんじゃない。と言って終わらせるのではなく、良いところを見出して使うようにするということです。

柿に渋柿と甘柿があるように、人間にもいろいろな人がいますもんね。得意不得意や性格の違い、そういった人がいることを認識したうえで配置や役割を決める必要があります。

渋柿を切って甘柿を接ぎ木甘柿だけがなる木をそろえようとしても柿の木ならできると思いますが、人間に置き換えて同じようの人間だけそろえようとしてもなかなか難しいですし、そろえたとして組織が動かせるかどうかわかりません。そもそも人間の場合は甘柿のような人を集めようとして探してもなかなか見つからないことのほうが多いですし。

さて、適材適所の話に戻ります。渋柿は実は渋みさえ取れば甘柿よりも甘みがある柿です。なんだか意外ですよね。渋みのインパクトが強くて甘みがかき消されてしまっているのです。となると見え方が変わってきますよね。それなら渋みを抜いてあげて甘くして食べようという考え方になります。

焼酎につけるとか、干し柿にすれば甘くなります。加工すれば保存食にもなりますね。おいしく保存食にできる、甘柿のように生食するのとは違い、渋柿には渋柿の味わいと役割があるのです。

人間も同じです。短所のみに目が行き使いようがないとなげくよりも、長所を引き出す使い方を心がけることで、人材は活きてきます。与える役目を変えることでその人の新たな発見が見つかり、良い傾向になることもあるのです。

例えばシステムエンジニアやプログラマーの業界ですと、人間関係が苦手そうでも腕は確かな人であればコーディングの仕事を任せるとか、逆にコーディングが苦手でも人間関係が得意そうなら顧客との打ち合わせをメインにしてもらうとか、やってもらう仕事はうまくやりくりできますね。職人気質の人に営業をやらせても難しいですし、営業系な人に職人としての役割を与えてもうまくいくかどうかわかりません。

渋柿だから悪い、甘柿だから良いと分けるのではなく、特性を見極めて配置をし役割を担ってもらうということが大切ですね。

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