いさめてくれる部下は、一番槍をする勇士より値打ちがある。(徳川家康)

「いさめてくれる部下は、一番槍をする勇士より値打ちがある。」徳川家康

上司の間違いを指摘してくれる部下は、戦いの時に勇敢にいの一番に敵に向かっていく兵士よりも大切な存在だという意味です。イエスマンではなく、正しい事は正しい、間違いは間違いだと指摘してくれる部下の存在は貴重でありその人のことを大事にしなければならないのです。

なぜかといえば、人間は上の人に対し機嫌を損ねて処分されたりしないように気を使うものです。自分の仕事がなくならないように、食い扶持がなくならないように上司の顔色をうかがいます。

そうなるともし上司に間違いがあっても言い出しにくいです。それにより上司が怒ったらどうしようと自分の身を案じるからです。そういう人が多数派の中、ズバズバと言ってくれる存在はその上司の間違いを正すためにも、それにより組織のためにも必要です。

ただ、こんな格言もあります。

「上司の弱点を指摘するな。」黒田官兵衛

上司の弱点を本人に言うと、上司は腹立たしく感じ険悪になって場の雰囲気も悪くなり人間関係も悪くなるので言ってはいけないという意味です。

なんだかさっきのと逆なように見えますが、弱点をそのままいうと単なる悪口になるものの、いさめるのはこれからを良くするための意見であるという違いがあります。ですからこの2つは相反するものではなく別々の意味があるのです。

いさめるのは上司や組織の誤りに気づき正すために必要です。全てを正しく判断し実行できる人はいないのですから、間違いを指摘してくれる人は貴重な存在です。

例えば根性論振りかざしてくる上司です。盲腸で手術をする人に対してこんな事を言いました。

上司「腹痛くても働こうよ。」

部下「それはできません。医者からも術後は休むように仕事は止められています。」

上司「在宅でなんとかなるでしょう。」

部下「場所の問題じゃないです。術後の経過がどうなるかもわからないのに仕事やれるなんてことは言えません」

上司「実際無理でも働くという姿勢くらい見せるべきだ。」

部下「出来ると言って出来ないほうが嘘つきになります。嘘をつくつもりはありません。働けないものを働けないと言って何が悪いんでしょうか。」

その方はカンカンに怒ってその後すぐに退職しました。

それを私の前でやるなよと当時は思っていましたが、私も同じような目にあったので会社の会議の場で何かしら言ってやろうと考えました。その際に上司の弱点で言う場合といさめる場合の言い方で書いてみました。

上司の弱点を指摘する形:あなたの考え方が古いです。根性論振りかざしても時代に合いません。そんな事だからみんなやめてくんです。

いさめる形:いままでは人材が豊富で交代ができるからうまくいきましたがいまは現役世代が減り人材不足で状況が変わりました。そのため時代に合わせて会社として仕事を回せる組織やシステムづくりをしていく事がいいと思います。社員のケアの方法を変えていくべきです。

前者の言い方だったら多分大喧嘩になってたと思いますので後者の言い方にしました。

不思議と提案ありがとうと言われ、その場は穏やかに終わりました。

その後ですか?特に変化なしです。でもいうだけ言ったのでまぁ多少はスッキリしました。それで良しとしようと思います。

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