こころに望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。(徳川家康)

「こころに望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。」徳川家康

心に欲が起きたときには、苦しかった時を思い出すことだ。そうすれば今現在の自分がどれだけ満たされているかが自覚できる。したがってこの欲は贅沢であるから自分を戒め欲を捨てるようにせよ。という意味です。

いいスマホが欲しい、いいクルマが欲しい、いいパソコンがほしい、このゲームが欲しいといった物欲は際限なく続きます。パートナーのここをこうしてほしい、いい上司に変わってほしい、いい部下に来てほしい、給料上がらないかな、といった人間関係や仕事の欲も出だすと尽きません

とにかく欲というものはキリがないです。そのため、欲が出始めた最初に自分に釘を刺す必要があります。この格言は常日頃から心のなかに置いておかないと欲に飲み込まれてしまいます。

そこで、自分のつらかった時期や苦しかった時期を忘れないようにするのです。人間誰しも辛かったとき苦しかったときはあります。その時の辛さ苦しさは忘れないようにし、自分自身が欲が出てきたときの戒めにするということです。

自分自身の経験ですと、こんなことがありました。

20代のころ、うつ病で退職し1年以上の無職期間がありました。無職のニートですから親ともギクシャクした関係になります。実家に居座る勇気はありませんでしたから貯蓄をもとに家賃2万円台の安いぼろいアパートを借りてひっそりとそこに籠るようになりました。

周りと比べてしまいへこむ毎日、友達とも会いにくい、SNSもやりにくく友達の充実した近況をみたくない日々を過ごしていました。お店に行けばみんな働いているのに自分は安くてボロいアパートでひとりでぼさっとしている、劣等感の塊のような状態でした。

そしてお金はどんどんなくなっていきます。でも働くのが怖いから働けない…。どん詰まりってやつでした。

そこからどうにか這い上がって働いて家族を持つことができました。今は幸せになれたと感じています。あのころと比べたらがらりと変わることが出来て、本当に起きたこと出会った人にありがたいと思っています。

ですから、それ以上望むとバチが当たると思うようにしています。欲は湧いては来ますけどね。妻が少し静かにしてくれないかなとか、一人旅に出たいなとか、自分の自由時間が欲しいなとか、さまざまあります。でも、無職時代に自由時間なんて腐るほどあって実際腐って生きてきたのだからあるだけ無駄ですし、せっかく過去を知ったうえで結婚した妻に文句言うなんて何を考えているんだという話です。

ですから、過去の困窮したときと比べてもその欲は必要なのかどうかを考えて「いらない」と自分で結論付けると我慢ではなくて幸福感を維持しつつ欲を捨てることが出来るのです。

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