【目的設定の極意】芭蕉の格言「まず句の心を定めよ」に学ぶ、迷わず成果を出す現代的な目標設定法
仕事でも、子育てでも、自己成長でも、「何を目指しているのかわからなくなった瞬間」に、人は迷い、疲弊し、やがて行動を止めてしまいます。やるべきことは多いのに成果が出ない、頑張っているはずなのに手応えがない――そんな悩みを抱えている方は少なくありません。
そのような現代人の悩みに、300年以上前の江戸時代から、驚くほど的確な答えを投げかけてくれる言葉があります。それが、俳聖・松尾芭蕉の俳論に記された格言、
「まず句の心を定めよ」
という一言です。
本記事では、この芭蕉の格言を「目的設定」という観点から現代に読み替え、実生活でどのように活かせるのかを、筆者自身の体験談を交えながら、具体的な手順として詳しく解説します。さらに、この考え方を応用することで、より高い成果と満足感を得る方法についても掘り下げていきます。
「まず句の心を定めよ」とは何か|松尾芭蕉の発言と出典
「まず句の心を定めよ」は、江戸時代前期の俳人である松尾芭蕉(1644年〜1694年)の俳論に見られる考え方です。
松尾芭蕉は、『奥の細道』をはじめとする数々の名作を残し、俳句を単なる言葉遊びから、思想と精神性を伴う文学へと高めた人物として知られています。
この言葉の趣旨は、「技法や言葉選びに入る前に、その句で何を表したいのか、その核心となる心(テーマ・意図)を先に定めよ」という教えです。
出典:
松尾芭蕉 俳論(門人の記録や『去来抄』『三冊子』などに見られる芭蕉の俳句観・創作論より)
芭蕉は、技巧に走ることを戒め、「心が定まらない句は、どれほど言葉を整えても空虚になる」と考えていました。この姿勢は、現代における仕事・学習・人生設計にも、そのまま通じるものがあります。
現代における「まず心を定める」ことの重要性
現代社会では、情報が溢れ、選択肢が無数に存在します。目標を立てる前から、ノウハウ、ツール、効率化手法ばかりが目に入ってきます。
しかし、目的が曖昧なまま行動を始めると、次のような問題が起こりがちです。
- 途中で「これでいいのか」と不安になる
- 他人の成功例に振り回される
- 努力の方向性がズレて疲弊する
- 成果が出ても満足感が得られない
芭蕉の言う「句の心」とは、現代で言えば目的・意図・ゴールの本質です。つまり、「なぜそれをやるのか」「最終的にどうなりたいのか」を、最初に定めることが何より重要なのです。
【体験談】目的を定めずに失敗した私の現代的エピソード
ここで、筆者自身の体験談をお話しします。
私は以前、「とにかく成長したい」という曖昧な理由で、資格取得や勉強、自己啓発に手を広げていました。話題のビジネス書を読み、オンライン講座を受け、毎日タスクを詰め込んでいました。
一見すると努力しているように見えますが、数か月経っても「何が身についたのか」「何が変わったのか」が自分でも分かりませんでした。やがて疲れ、自己嫌悪に陥り、「自分は何をやっても中途半端だ」と感じるようになりました。
その時にふと、芭蕉の「まず句の心を定めよ」という言葉を思い出しました。そして、自分には行動の前提となる目的設定が欠けていたことに気づいたのです。
芭蕉の格言を現代に活かす具体的な目的設定の手順
ここからは、「まず句の心を定めよ」を現代的な目的設定として実践するための、具体的な手順を解説します。
手順①:行動ではなく「状態」を言語化する
多くの人は、「毎日勉強する」「資格を取る」といった行動目標から入ります。しかし芭蕉的に言えば、それはまだ「言葉選び」の段階です。
まず定めるべきは、その先にどんな状態になりたいのかです。
例:
- ✕ 資格を取る
- 〇 専門分野について自信を持って説明できる状態になる
これが「句の心」にあたります。
手順②:「なぜそれを望むのか」を3回掘り下げる
次に、その目的について「なぜ?」を最低3回繰り返します。
例:
- なぜ専門性を高めたいのか → 仕事で評価されたい
- なぜ評価されたいのか → 自分の価値を実感したい
- なぜ価値を実感したいのか → 不安なく働き続けたい
この最深部にある感情が、あなたの「心」です。ここまで明確になると、途中で迷いにくくなります。
手順③:判断基準として目的を使う
目的が定まったら、それを判断基準として使います。
「この勉強法は、自分の目的に近づくか?」
「この誘いは、今の心に合っているか?」
こうして行動を選別することで、無駄な努力が激減します。
目的を定めたことで実際にどう良くなったのか【具体例】
筆者は、「不安なく働き続けられる専門性を身につける」という目的を定め直しました。
その結果、次のような変化がありました。
- 学ぶ分野を一つに絞れた
- 情報収集に振り回されなくなった
- 成果が小さくても納得感を得られるようになった
- 継続することが苦にならなくなった
これはまさに、芭蕉が言う「心が定まった句は、自然と形が整う」という状態だと感じています。
応用編|「句の心」を定期的に見直してさらに成長する方法
最後に応用編として、さらに効果を高める方法を紹介します。
定期的に「目的の再定義」を行う
人は成長すると、価値観も変わります。そのため、3か月〜半年に一度は、
- 今の目的は本当に自分の心に合っているか
- 少し修正した方がよくないか
と問い直すことをおすすめします。
芭蕉自身も旅を重ねながら、作風を変化させていきました。それは「不易流行」の精神でもあり、心を見失わない柔軟さでもあります。
まとめ|「まず句の心を定めよ」は人生全体に通じる指針
松尾芭蕉の「まず句の心を定めよ」は、俳句だけでなく、現代人の仕事、学習、人生設計にまで通じる普遍的な教えです。
行動の前に目的を定める。方法の前に心を決める。
この順序を守るだけで、努力は意味を持ち、成果は積み重なり、迷いは確実に減っていきます。
ぜひ今日から、何かを始める前に一度立ち止まり、「自分は何のためにこれをやるのか」と問いかけてみてください。その問いこそが、芭蕉の言う「句の心」なのです。

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