はじめに|なぜ今「率先垂範」が求められるのか
現代社会では、「リーダーシップとは何か」が常に問われています。
部下が動かない、チームがまとまらない、指示しても形だけになる。
こうした悩みを抱える管理職や経営者、さらには家庭や地域で人をまとめる立場の人も多いのではないでしょうか。
その答えを、実は江戸時代の偉人がすでに示していました。
それが、**「率先垂範すべし」**という言葉です。
この格言は、米沢藩を立て直した名君として知られる**上杉治憲(うえすぎ はるのり/上杉鷹山)**の思想をまとめた『上杉治憲言行録』に見られる考え方です。
本記事では、この格言の意味をひもときながら、
現代のリーダーがどのように行動すべきかを、筆者自身の体験談を交えて具体的な手順として解説します。
「率先垂範すべし」とは何か|上杉治憲の言葉の意味
「率先垂範すべし」
発言者:上杉治憲(上杉鷹山)
出典:『上杉治憲言行録』
この言葉の意味は、
「人に命じる前に、まず自分が行動で示せ」
ということです。
上杉治憲は、極度の財政難に陥っていた米沢藩を立て直すため、倹約・改革・人材育成を進めました。しかし、彼は決して「命令」だけで改革を進めたわけではありません。
自ら粗衣粗食を実践し、贅沢を捨て、藩士たちと同じ目線で生活しました。
その姿勢があったからこそ、家臣たちは心から従い、改革は成功したのです。
現代における「率先垂範」が軽視されがちな理由
現代では、言葉や理屈で人を動かそうとしがちです。
・会議で立派なことを言う
・ルールだけを作る
・部下に「やれ」と指示する
しかし、自分自身はそのルールを守っていない。
この状態では、人は本気では動きません。
上杉治憲の教えは、**「人は言葉ではなく、行動を見ている」**という本質を突いています。
筆者の体験談|行動しないリーダーだった頃の失敗
私自身、かつて職場で小さなチームを任されたとき、まさにこの失敗をしました。
「時間を守ろう」「効率を意識しよう」と口では言いながら、
自分は会議に遅れ、雑務を部下に任せきりでした。
当然、チームの雰囲気は冷え、誰も主体的に動きませんでした。
ある日、部下から何気なく言われた一言が心に刺さりました。
「それ、まず自分がやらないと意味ないですよね」
そこで私は考え方を改めました。
「率先垂範すべし」を現代で実践するための具体的手順
手順① 自分が守れていないことを洗い出す
まず、人に求めている行動を自分が本当にできているかを確認します。
・時間厳守
・挨拶
・整理整頓
・報連相
ここで嘘をつかず、正直に振り返ることが重要です。
手順② 一番小さな行動から変える
すべてを一度に変える必要はありません。
私の場合は、誰よりも早く出社し、準備を整えることから始めました。
小さな行動でも、「あの人は本気だ」という印象を与えます。
手順③ 行動を継続し、言葉を減らす
率先垂範の本質は、多くを語らないことです。
行動を続けていると、不思議なことに説明しなくても周囲が動き始めます。
率先垂範を実践した結果、どう変わったのか
私が行動を変えてから、次のような変化が起きました。
・部下が時間を守るようになった
・指示しなくても準備が進むようになった
・チーム内で注意し合う文化が生まれた
これは、私が「正しいことを言った」からではありません。
「正しい姿を見せた」からです。
家庭・育児・地域でも活きる「率先垂範」
この考え方は、職場だけでなく家庭でも非常に有効です。
例えば、
「早く寝なさい」と言いながら親がスマホを見続けていれば、子どもは納得しません。
しかし、親自身が本を読んだり早く布団に入ったりすると、
子どもは自然と真似をします。
上杉治憲の教えは、人間関係すべてに通じる普遍的な原理なのです。
応用編|率先垂範をさらに効果的にする方法
応用① 失敗も率先して見せる
完璧である必要はありません。
失敗したときに、素直に認め、改善する姿を見せることも率先垂範です。
応用② 感謝を行動で示す
「ありがとう」と言うだけでなく、
・手伝う
・時間を作る
・労をねぎらう
こうした行動が、信頼をさらに深めます。
まとめ|上杉治憲が現代に残した最大の教訓
「率先垂範すべし」
発言者:上杉治憲(上杉鷹山)
出典:『上杉治憲言行録』
この言葉が教えてくれるのは、
人を動かすのは地位でも言葉でもなく、行動そのものだという事実です。
まず自分が動く。
黙ってやる。
続ける。
この姿勢こそが、時代を超えて通用する真のリーダーシップなのだと、私は実感しています。
ぜひ今日から、あなた自身の「率先垂範」を始めてみてください。

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